効率の悪い英単語学習法に決別すべきとき 高校生の英語学習を考える
効率の悪い英単語ひたすら暗記学習
先日、高校生に英語を教えていて知ったことですが、今この時代においても 単語を一語一語 機械的に暗記する勉強をしている高校生がいて、それも、その子が通う高校の英語の先生が指示した宿題だということでした。それは、30年も前には当たり前の光景であったものの、私としては、てっきり今はもう廃れたと思っていた、言わばレガシー的な英語学習法でした。 良くも悪くも、懐かしさを感じました。
機械的学習法と文脈学習法
単語だけを、たとえば動詞を何語、形容詞を何語、名詞を何語おぼえるといったノルマ的目標を課しておぼえる学習を、仮に「機械的学習法」と名付け、対して 単語を長文や会話の中で出会ったときにそのつどおぼえてゆく学習法を「文脈学習法」と呼ぶことにします。 英語教育に従事される方々一人一人にそれなりのお考えがあってのこととは思いますが、私自身は、英単語を機械的におぼえる勉強をいっさいやらずに実務現場で使える英語を身につけることができたという自分自身の経験にもとづいて、中学・高校生にも、英語を学ばれる若い皆さんにも、「英単語は会話や文章の中でおぼえる(文脈学習法)のがよい」と助言しています。 単語だけをおぼえる(機械的学習法)よりも、会話や文章の中で その用法イメージとともにおぼえるほうが、はるかに効率が良く、記憶の定着もよいと確信しています。 また、機械的学習法でおぼえた単語は、英語で発信するニーズに対して、自然に出てきません。 そして、文脈の中で単語をおぼえたほうがよい、いちばん大きな理由は 言葉のイメージをおぼえることができ、アウトプット時に適切な使い分けができることです。
速読英単語以前と速読英単語以後
Z会(増進会)出版社から 「速読英単語」が登場してから、日本の高校生の英単語学習法は新しい時代に入りました。単語カードの表に英語のスペルを、裏に日本語を書いて、ひたすらめくりながらおぼえる英単語学習は終焉をむかえ、「文章の中で、音読しながら、リスニングしながら」英単語をおぼえる時代に入ったのです。 このことが、それまでの学校英語の欠点の一つを払拭し、周辺アジア諸国の後塵を拝しているといわれる日本人の英語力を、少しは底上げしたのではないかと私は思っています。以来、単語を文章の中で、あるいは会話の中でおぼえるというコンセプトの教材が多数 刊行されています。 「速読英単語」の登場が日本の英単語学習をとても良い方向に変えた と私は思っています。
まとめ
中学生も高校生も、大人が考えているよりもずっと多忙な毎日を送っています。限られた時間のなかで少しでも効果の高い、効率の良い勉強をしてもらいたいと思います。 私は 英単語を機械的に学ぶ学習は 無駄の多い、非効率な学習法だと感じるので、中学生・高校生には必ず、そして英語を学ぶ社会人の方にも、文脈学習法を推奨していきます。
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